IFFA 一般社団法人 国際花農産物交流協会

日本産りんごの品種について

Column/ コラム
日本産りんごのベトナム向けの輸出について

ベトナム向け日本リンゴ生果実の新たな植物検疫条件での輸出解禁について

日本産りんご生果実について、ベトナムが侵入を警戒する病害虫が我が国で発生していることから、収穫までの袋掛け等の一定の宿物検疫条件を満たしたもの以外は輸出できませんでした。農林水産省は、産地からの要望を踏まえ、袋掛けを必要としない輸出に取り組みやすい条件に付いてベトナムの植物検疫当局と技術的協議を積み重ねてきました。その結果、12月15日付けで、袋掛けの代わりに低温処理を行うことでりんご生果実を輸出することができることになりました。

りんごについて

りんごの歴史は古く、スイスで発見されたりんごの化石から、約4000年前にはすでにりんごが栽培されていたのではないかといわれています。 りんごの原産地は中央アジア地方、コーカサス(カフカス)の北方地帯から西アジアにかけての寒冷地で、それが16~17世紀ごろにヨーロッパ各地に広まり、栽培が盛んに行われました。
りんごは名前がつけられたものだけでも、世界で1万種類以上あると言われており、世界中で栽培生産されています。我が国だけでも2000種類ほどあると言われています。その中で数十種類が現在良く生産出荷されています。

一般的に市場に販売されている主なリンゴ

ふじ
品種:ふじ
  • 主な生産地:青森県、長野県、山形県など
  • 収穫期:11月上中旬

明治時代に初めて日本に輸入された国光と、デリシャスをかけ合わせて作られた品種で、1964年に命名,登録されています。現在日本でもっとも多く栽培されている品種です。紅色の美しい縦じまが特徴で、果汁が多く実がしまっていて、甘味も多く香りも高いので人気があります。日持ちがするのも、人気の理由でしょうか。
農林省東北農業試験場園芸部(現在の果樹研究所リンゴ研究拠点)で「国光」と「デリシャス」をかけあわせてつくられたりんごで、1962年に育成地である青森県藤崎(ふじさき)町にちなみ「ふじ」と命名されました。晩生の代表品種で、大きさは300グラム前後で、日持ちがよく、とても甘く歯ごたえがあり、熟してくると果実の中心部に周辺に蜜が入るのが特徴です。また、袋をかけずに育てたものが「サンふじ」、袋をかけて育てたものは「ふじ」として流通しています。国内のりんご生産量のおよそ半分を占める、日本を代表するりんごです。

ふじ
品種:つがる
  • 主な生産地:青森県、長野県、山形県など
  • 収穫期:8月下旬ー9月中旬

1930年に青森県りんご試験場で、ゴールデンデリシャスと紅玉から作られた品種です。やや横長の長円形で、紅色の縦じまが入ります。割と早い時期に出回り、ふじに次ぐ生産量をほこっています。果肉はやや固めで甘味も果汁も多いのが特徴です。ただし日持ちはあまりしません。
青森県りんご試験場(現在の青森県産業技術センターりんご研究所)で「ゴールデンデリシャス」と「紅玉」をかけあわせてつくられたりんごで、1975年に「つがる」と名付けられました。早生りんごの主力品種で、日本では「ふじ」の次に多くつくられています。大きさは300グラム前後で、果肉は黄白色でやや硬く、酸味も少なく果汁が多いりんごです。

ふじ
品種:ジョナゴールド
  • 主な生産地:青森県、岩手県、長野県など
  • 収穫期:10月中下旬

1943年にアメリカでゴールデンデリシャスと紅玉を交配して作られた品種です。1970年に日本に導入されました。濃紅色でわりと大きめのりんごですが、甘味と酸味が適度で紅玉に似ており、ジュースや料理、お菓子作りにも向きます。
アメリカのニューヨーク州ジェネバにあるニューヨーク州農業試験場で「ゴールデンデリシャス」と「紅玉」をかけあわせてつくられたりんごで、1968年に「ジョナゴールド」と名付けられました。中生の代表的な品種で、果実は350~400グラムと大きく、果肉の色は黄白色です。成熟してくると表面にワックスと呼ばれるろう状の物質が分泌されやすく、「紅玉」に似た適度な酸味と濃厚な味が特徴のりんごです。

ふじ
品種:王林
  • 主な生産地:青森県、岩手県、長野県など
  • 収穫期:10月下旬ー11月上旬

ゴールデンデリシャスに印度をかけ合わせた品種で、1952年に命名されました。縦長の長円形で黄緑色をしており、甘味が強くて独特の香りが特徴です。表面にさびのある無袋栽培のもののほうがおいしいです。
福島県伊達郡桑折町の大槻只之助氏によって「ゴールデンデリシャス」と「印度」をかけあわせてつくられたりんごで、1952年に「王林」と名付けられました。大きさは300グラム前後、果肉は黄白色で果汁が多く、表面は黄緑色で表面にぽつぽつした点が目立つ独特な外観です。酸味が低く甘い口当たり、そして「王林」固有の爽やかな香りが特徴の黄色系の品種の中で最も代表的なりんごです。

ふじ
品種:陸奥
  • 主な生産地:青森県など
  • 収穫期:10月下旬ー11月上旬

青森県りんご試験場(現在の青森県産業技術センターりんご研究所)で「ゴールデンデリシャス」と「印度」をかけあわせてつくられたりんごで、1949年に「陸奥」として登録されました。大きさは約400グラムと大きく、大きいものでは1キログラム近くなることもあります。本来は黄色りんごに分類される品種ですが、袋掛け栽培を行い収穫前40日頃に袋を取って太陽光に当てて色づけをしているため、一般的には赤りんごとして知られています。また、袋をかけず最初から十分に光を当てて育てたものは鮮やかな緑色をしていて、「サン陸奥」という名前で出回っています。 ゴールデンデリシャスに印度を交配して、1930年に青森県りんご試験場で作られました。大きくて見栄えがいいので、贈答品によく使われます。寿などの字が出たりんごを見たことがある方も多いのではないでしょうか。本来黄緑色の品種ですが、有袋栽培(袋をかけて日光をさえぎる)で育てて、収穫前に袋をはずして日光に当て、紅色にします。果汁が多く、さっぱりとした甘味と高い香りが特徴です。

ふじ
品種:紅玉
  • 主な生産地:青森県、長野件、山形県など
  • 収穫期:9月下旬ー10月中旬

1800年頃、アメリカのニューヨーク州のフィリップ・リック氏の農園で発見された品種で、1871年に「ジョナサン」の名前で日本に渡ってきました。その後さまざまな名前で販売されましたが、1900年に「紅玉」の名前に統一されました。果実の大きさは180グラム~200グラムと小ぶりで、果肉は黄白色で果汁が多く、酸味は強く香り豊かなりんごです。日本で育成されたりんご品種の基礎となったりんごで、紅玉を親として「つがる」「ジョナゴールド」「あかね」「はつあき」などが生まれました。かつては「国光」とともに日本の2大主要品種でしたが、現在では生産面積は全体の1%程度まで落ち込んでいます。しかし、生で食べるだけでなく料理やお菓子の材料などにも適している品種のため、現在もアップルパイ、りんごムース、ソテーなどの材料として根強い人気を誇っています。 明治時代に国光とともに導入された、古い品種です。1968年ごろまでは、国光と2大品種として、日本のりんご生産を支えました。円形でやや小ぶりな実は、鮮紅色で見た目も美しいです。味はやや酸味が強く、料理やジュースによく使われますが、アップルパイなどのお菓子にも最適です。

シナノスィート
品種:シナノスィート
  • 主な生産地:青森県、長野件、秋田県など
  • 収穫期:9月下旬ー10月上旬

長野県須坂市の長野県果樹試験場で「ふじ」と「つがる」をかけあわせてつくられた品種で、1996年に「シナノスイート」と名付けられました。果実は長円形で300~350グラムと大きく、果皮は濃い赤色で薄く縦縞が入ります。果汁たっぷりで酸味が弱くとても甘いです。これからの中生の主要品種として期待されているりんごです。

ふじ
品種:ゴールデンデリシャス

890年にアメリカの農園で発見され、1923年に日本に輸入されました。世界で最も多く生産されています。黄緑色の品種のため、皮に褐色のさびが発生しやすく、外観が悪くなるので、日本では有袋栽培で作られることが多くなっています。果肉は締まっており果汁も多く、甘味酸味が適度ですが、日持ちはあまりしません。
世界中で栽培されています。日本での栽培量はあまり多くありませんが、欧州ではもっとも主要な品種です。 ・50種類以上の優良品種の交配親で、優れた育種素材であると認められています。 ※サビ…果面にザラザラした模様が発生します。品質には問題ありません。

世界一
品種:世界一
  • 主な生産地:青森県など
  • 収穫期:10月中下旬

長野県須坂市の長野県果樹試験場で「ふじ」と「つがる」をかけあわせてつくられた品種で、1996年に「シナノスイート」と名付けられました。果実は長円形で300~350グラムと大きく、果皮は濃い赤色で薄く縦縞が入ります。果汁たっぷりで酸味が弱くとても甘いです。これからの中生の主要品種として期待されているりんごです。

きおう
品種:きおう
  • 主な生産地:青森県、岩手県など
  • 収穫期:9月上旬

岩手県園芸試験場(現在の岩手県農業研究センター)で「王林」と「はつあき」をかけあわせてつくられた早生の黄色りんごで、1994年に「きおう」として品種登録されました。早生の黄色りんごで、果実の大きさは300グラム程度、果肉は白色で硬め、独特の香りとなしのようにシャリシャリした食感が特徴です。

秋映
品種:秋映
  • 主な生産地:長野県など
  • 収穫期:10月上旬

長野県中野市の小田切健男氏によって「千秋」と「つがる」をかけあわせてつくられた早生品種で、1993年に品種登録されました。
大きさは300グラム前後、成熟は「つがる」よりもやや遅く、色づきがとても良く、つくられた地方によって色の濃さが異なり寒冷地ほど濃く色づくのが特徴で、「千秋」に似た風味で香りが強く、果汁の多いりんごです。

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